リフォームで大きなトラブルになるケース。その多くは、契約する前の確認不足から始まっています。
工事が始まってしまえば、後戻りは簡単ではありません。だからこそ、判を押す前のひと手間が効いてきます。
とはいえ、契約書や見積書のどこを見ればいいのか、初めてだと分かりにくいもの。
ここでは、契約前に見落としがちなポイントを具体的に集めました。専門知識がなくても確認できることばかりです。
その前に、契約でやり取りする書類を軽く押さえておきましょう。
一般的には、工事請負契約書、契約約款、見積書、設計図面、仕上表といった書類がそろって、はじめて契約となります。
会社によって名称が違うこともありますが、「口約束だけで工事が始まる」のは避けたいところ。どんなに小さな工事でも、書面を交わすのが基本です。
保証の中身は「口約束」で終わらせない
「何かあったら対応しますよ」
営業担当のこの一言、安心してしまいがちです。
でも、口約束は後から証明できません。
確認したいのは、工事後に不具合が出たとき、どこまで無償で直してもらえるかです。
保証の対象になる範囲、保証が続く期間。これらが書面に明記されているかをチェックしましょう。
・保証の対象になる工事箇所はどこまでか
・保証期間は何年か
・不具合が出たときの連絡先と対応の流れ
こうした内容は、契約書や約款に記載されるのが一般的です。
もし書面に見当たらなければ、必ず確認すべきです。
「言った・言わない」を避けるためにも、口頭の約束は書面に残してもらうのが鉄則です。
もう一点、保証には工事を担当した会社そのものによる保証と、メーカーの製品保証の2種類があります。
設備の故障はメーカー保証、施工の不具合は会社の保証、というように役割が分かれることも。どちらが何をカバーするのか、あわせて聞いておくと安心です。
工期と「遅れたときの扱い」を確認する
いつ始まって、いつ終わるのか。工期の確認は多くの人がします。見落とされやすいのは、その先です。
工事が予定通りに進まなかったとき、どうなるのか。天候や資材の遅れで工期が延びることは、実際によくあります。
問題は、それによって仮住まいの費用がかさんだり、生活の予定が狂ったりしたときの扱いです。
契約書の約款には、工事が遅れた場合の取り決めが書かれていることがあります。
遅延の際にどう対応するのか、事前に目を通しておきましょう。分かりにくい箇所は、遠慮なく業者に質問しましょう。
丁寧に説明してくれるかどうかも、業者を見極める材料になります。
支払いのタイミングに要注意
リフォーム費用の支払いは、一括とは限りません。契約時、着工時、完成時と、複数回に分けるのが一般的です。
ここで気をつけたいのが、支払いの割合とタイミングです。工事が始まる前に、総額の大部分を求められるケースには注意が必要。
万が一、工事が途中で止まったり業者が対応しなくなったりしたとき、払い過ぎたお金が戻らないリスクがあります。
・契約時・着工時・完成時、それぞれいくら払うのか
・着工前の支払いが、不自然に高い割合になっていないか
・支払い方法と期日が、契約書に明記されているか
見積書の金額と契約書の金額が一致しているかも、忘れずに確認しましょう。
両者の数字が食い違っていたら、その場で指摘を。細かいようですが、こうした確認が後のトラブルを防ぎます。
見積書に含まれる範囲を細かく見る
見積書は、金額の合計だけを見て納得してしまいがちです。でも、大切なのは「何が含まれていて、何が含まれていないか」です。
たとえば、養生や廃材の処分、工事後の清掃。これらが見積もりに入っているのか、それとも別料金なのか。
近隣への挨拶を業者がやってくれるのかどうかも、確認しておくと安心です。
「一式」とだけ書かれた項目が多い見積書は、内訳が見えにくく要注意です。使う材料や数量、人件費などが具体的に書かれているか。
曖昧な部分があれば、遠慮せず内訳を出してもらいましょう。
含まれていないものを「含まれている」と思い込むと、後から追加請求で驚くことになります。
契約前に範囲を明確にしておく。それが、想定外の出費を防ぐいちばんの近道です。
訪問販売なら「クーリングオフ」を知っておく
もし、業者の訪問営業がきっかけで契約したのなら、クーリングオフ制度を知っておく価値があります。
クーリングオフは、一定の条件を満たせば契約を解除できる制度です。
リフォーム工事の場合、訪問販売による契約であることが条件のひとつ。
そして、契約書面を受け取った日から数えて8日以内に、書面などで解除を通知する必要があります。
一方で、自分でインターネットなどから業者を探して申し込んだ場合や、業者の店舗へ出向いて契約した場合は、原則として対象外です。この違いは押さえておきましょう。
条件の細かい判断は難しいこともあります。
「解除できるか分からない」と迷ったときは、消費生活センターや専門家に相談するのが確実です。焦って決めず、まず確認する。それだけで守れるものがあります。
